社会福祉法人 恩賜財団 済生会有田病院

病院長ご挨拶

 院長に就任して2年が経ちました。
 済生会有田病院の現況と今後の目標についてご報告申し上げます。
 一昨年の新型コロナ感染症の発症時には皆様に多大なるご心配、ご不便をお掛け致しましたことを、改めてお詫び申し上げます。さて、その後は感染対策の徹底と、職員の感染予防に対する意識の向上も相まって、院内感染を起こすことなく通常診療を継続することができています。これも偏に皆様方の入院・外来受診時におけるご協力の賜と深く感謝申し上げます。
 さて、当院では昨年の2月1日から電子カルテを導入し、スタッフ全員が直ちに医療情報を共有でき、その結果待ち時間をかなり短縮することができました。今後はさらに電子カルテの利点を活用し、チーム医療の推進、診療の安全で安心な医療を目指します。また、かかりつけ医の先生方と強い連携のもと、地域医療に貢献できればと思っています。また、本年1月から高性能CT診断装置を導入致しました。これにより狭心症など心臓の血液の流れも詳しく評価できるようになりました。
 当院では今までの診療科に加え、本年2月から新たに形成外科を開設し、第2および第4月曜日の午後に診療を開始しております。形成外科はイボなどによる表皮の異常、生まれつきや事故などにより生じた皮膚の変形や欠損(醜形といいます)に対し、様々な手技を用いて機能的のみならず形態的な障害も修復する外科治療です。例えば、手足のリンパ管障害が原因で生じた慢性的な浮腫なども、細かいリンパ管と血管を吻合することにより機能的にも改善致します。有田地域における体表の異常などを有する患者さんの支えになりたいと思っています。
 当院では内科、外科・消化器科、整形外科、リハビリテーションセンター、眼科、放射線科では医師が常に在院し診療致しておりますが、新たに本年4月からは耳鼻咽喉科の医師も常に在院致します。副鼻腔炎や中耳炎、難聴、声帯ポリープなど、耳、鼻、喉の病気に対し、速やかな診療が可能となります。さらには、眼科医が常に2名体制で勤務致します。現在、白内障の手術など4ヵ月近くお待ち頂いている現状を少しでも改善できるものと思っています。また、担当医師の異動はありますが、外科・消化器科も4名、整形外科は7月より5名体制で診療を継続致します。
 さて、済生会は、SDG’sの達成に向けて様々な取り組みを行っています。その1つとして当院は大規模災害時には災害支援病院としての役割を果たさなければなりません。そのためにも大規模災害を想定したBCP(事業持続化計画)の作成、いざ災害が起こったときを想定した訓練が必要となってきます。さらには、このような初動・急性期対応のみでなく、亜急性期・慢性期における避難所生活などでの健康管理についても当院の果たす役割は大きいと考えています。これからは地域の皆様と協力して災害対策に取り組みたいと思っています。

社会福祉法人恩賜財団済生会有田病院長 瀧藤克也

院長プロフィール:

昭和35年生まれ
和歌山県出身
昭和59年自治医科大学医学部卒業、和歌山県立医科大学附属病院研修医、高野町立高野山病院、大塔村僻地診療所、和歌山県立医科大学第2外科助手、講師、中央内視鏡部准教授、病院教授を経て、平成28年より済生会有田病院 院長補佐兼副院長、消化器センター長として勤務、令和2年4月病院長に就任。